2012年6月8日(金)更新
第50回 「先天性トキソプラズマ症」
妊婦が、初めてトキソプラズマ(原虫の一種)に感染すると、血液中に流入したトキソプラズマが胎盤を介して児に感染し、児に水頭症や脈絡網膜炎を起こすことがあります。これを先天性トキソプラズマ症といいます。
感染経路は口が主で、目や呼吸器もあるといわれています。経口感染の感染源は、食用肉・内臓(不十分な加熱処理のブタ・ヒツジ・ウシ・トリ、レバーなど)に含まれるトキソプラズマのシスト(嚢子)、あるいはネコの糞に多量に含まれるオーシスト(胞嚢体あるいは卵嚢子)があります。
妊娠中の感染が否定できなければ、羊水検査による遺伝子診断を行うか、アセチルスピラマイシンによる薬物治療を開始します。妊娠初期にトキソプラズマ検査をおこないますので、主治医に説明を受けておいて下さい!