マタニティ通信

2013年8月23日(金)更新

第113回「風疹について」

妊娠中、風疹ウイルスに感染すると胎児も風疹ウイルスに感染することがあります。感染すると胎児に白内障、心奇形、難聴などの先天性異常を生じる場合があり、これを先天性風神症候群(CRS)といいます。

妊娠12週未満に感染すると80~90%の確率で胎内感染し、90%以上でCRSの症状をもたらします。妊娠中、風疹ウイルスに感染すると胎児への感染、CRS発症を防ぐ有効な手段はなく、感染後の治療も確率されていません。

そのため、妊娠前に風疹抗体価を測定し、免疫がなければワクチン接種するというのが唯一有効な方法と言えます。
現在妊娠中で抗体価の低い方は、出産後ワクチン接種を考えましょう。

執筆者

中川産科婦人科 院長 中川 仁志

中川産科婦人科 院長:中川 仁志
Hitoshi Nakagawa

久留米大学医学部卒業
広島大学医学部産科婦人科学教室入局

職歴
呉医療センター・中国がんセンター
広島大学医学部附属病院
県立広島病院
資格
日本産科婦人科学会 専門医
母体保護法指定医
日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コースインストラクター
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