マタニティ通信

2013年5月17日(金)更新

第99回「脊髄くも膜下麻酔の利点とは」

脊髄くも膜下麻酔は帝王切開手術の麻酔でよく用いられている麻酔法です。

脳脊髄液のあるくも膜下腔という部位に細い針を刺入して局所麻酔薬を投与するという手技が比較的容易な麻酔方法です。

麻酔薬が直接脊髄に作用するので投与する局所麻酔薬の量が少量ですみ、なおかつ麻酔効果が早く発現します。脊髄くも膜下麻酔では局所麻酔薬は脳へは作用しないため妊婦さんの意識は保たれており赤ちゃんの産声を聞くことができます。また嘔吐感などの気分不良を早く発見し速やかな処置を施すことで誤嚥の危険性が少なくなります。意識は保たれているので呼吸も安定しております。

使用する局所麻酔薬の量が少量なため胎盤を通しての赤ちゃんへの影響が少ないなどの利点があります。

執筆者

中川産科婦人科 麻酔科医師 中川 聖子

麻酔科医師:中川 聖子
Masako Nakagawa

久留米大学医学部卒業
広島大学医学部麻酔・蘇生科学教室入局

職歴
県立広島病院
安佐市民病院
広島大学医学部附属病院
資格
日本麻酔科学会 麻酔科専門医
日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コース 修了
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